わが国は、先進諸国の中でもかつて経験したことがないほど急速に高齢化が進み、平成27年には、65歳以上の高齢者が3,300万人にも達し、何らかの保護等を必要とする人が500万人ものぼると推定されています。この様な現状に対応する為、平成12年4月から従来の禁治産、準禁治産制度に変わり、成年後見制度がスタートしました。
自己決定権の尊重と障害をもつ者との共生を目指す「ノーマライゼーション」という新しい理念に基づく成年後見制度は、これからの国民生活を支える重要な基盤的制度と考えられます。
成年後見制度の業務の法的根拠は、代理権、同意権、取消権の三つの権利行使に立脚し、その業務に応じ行使権限が異なっており、任意後見人については契約した範囲の代理権の行使を前提としている。これらの権利行使の範囲は、広範囲にわたると同時に社会、経済の多様化の中で、運用に当たっては、高度な専門的知識と的確な判断、そして高い論理性が求められます。
このため、成年後見人等及び任意後見人を従来の血縁者などに依ることは、必ずしもその業務が有効に機能するとは限らず、各分野での質の高い専門家に期待が寄せられています。
自己決定権の尊重と障害をもつ者との共生を目指す「ノーマライゼーション」という新しい理念に基づく成年後見制度は、これからの国民生活を支える重要な基盤的制度と考えられます。
成年後見制度の業務の法的根拠は、代理権、同意権、取消権の三つの権利行使に立脚し、その業務に応じ行使権限が異なっており、任意後見人については契約した範囲の代理権の行使を前提としている。これらの権利行使の範囲は、広範囲にわたると同時に社会、経済の多様化の中で、運用に当たっては、高度な専門的知識と的確な判断、そして高い論理性が求められます。
このため、成年後見人等及び任意後見人を従来の血縁者などに依ることは、必ずしもその業務が有効に機能するとは限らず、各分野での質の高い専門家に期待が寄せられています。
成年後見制度の概要
法定後見制度 |
後見
|
成年被後見人( 本人 ) |
成年後見人( 成年後見監督人 ) | ||
保佐
|
被保佐人( 本人 ) | |
保佐人( 保佐監督人 ) | ||
補助
|
被補助人 ( 本人 ) | |
補助人( 補助監督人 ) |
任意後見制度 (任意後見契約) |
本人 |
任意後見人 | |
任意後見監督人 |
法定後見制度とは
病気や事故等によって、判断能力が不十分になられた人(痴呆症高齢者や知的障害者精神障害など)を保護するための制度であり、本人の判断能力の程度によって次の3つに区分されます。
本人の判断能力がほとんどない場合 : 成年後見
本人の判断能力が特に不十分な場合 : 保佐
本人の判断能力が不十分な場合 : 補助
本人の判断能力が3つのうちどの区分に該当するかは、医師の鑑定などによって決められ、自由に選べるものではないです。
本人の判断能力がほとんどない場合 : 成年後見
本人の判断能力が特に不十分な場合 : 保佐
本人の判断能力が不十分な場合 : 補助
本人の判断能力が3つのうちどの区分に該当するかは、医師の鑑定などによって決められ、自由に選べるものではないです。
任意後見制度とは
今回新たに創設された制度で、まさに新しい理念である「自己決定権の尊重」が生かされた制度です。本人の判断能力があるうちに、将来、判断能力が低下した場合に備え、後見人や後見の範囲(本人の生活、療養監護、財産の管理等の事務、代理権の範囲)等を決め、任意後見契約を締結します。この契約は、必ず公正証書によらなければならず、その契約内容は登記されます。
任意後見契約は、本人の判断能力が低下し、家庭裁判所による任意後見監督人の選任によって契約の効力が生じます。任意後見監督人は任意後見人を監督し、家庭裁判所に定期の報告をするなどの義務があり、本人の判断能力が低下した場合でも、安心して財産の管理を任せることができます。
任意後見契約は、本人の判断能力が低下し、家庭裁判所による任意後見監督人の選任によって契約の効力が生じます。任意後見監督人は任意後見人を監督し、家庭裁判所に定期の報告をするなどの義務があり、本人の判断能力が低下した場合でも、安心して財産の管理を任せることができます。
後見登記制度とは
旧制度では、禁治産、準禁治産宣告の事実は、直接戸籍に記載されプライバシーの侵害及び差別感等の様々な問題が生じていました。しかし、取引の安全性の確保は、取引相手の法律行為能力の確認が求められるものであり、一方で、個人のプライバシーの保護等も十分に確保される必要があります。
「後見登記制度」は、これからの解決を図るため、制度の利用に関する情報を「登記」することを義務付けて、限定された者以外はその情報の入手を不可能とする新しい制度です。
「後見登記制度」は、これからの解決を図るため、制度の利用に関する情報を「登記」することを義務付けて、限定された者以外はその情報の入手を不可能とする新しい制度です。
具体的職務内容
成年後見制度では成年後見人、保佐人、補助人のいずれかによって、その職務に関する法律上の権限は異なります。また任意後見人の職務の権限は、本人の生活、療養看護及び財産に関する事務の全部、又は一部について代理権の範囲を定め職務を行うことであるが、法定後見人、任意後見人のどちらでも原則的にその業務内容はほとんど変わらないです。すなわちその業務は財産管理であり身上監護です。
財産管理の具体的事務として次のようなものが想定される。
(1)預貯金関係を中心とする金融関係との取引に関する事項
(2)定期的な収入、支出の領収及び支払いに関する事項
(3)日常生活の取引に関する事項
(4)所有財産の管理、運用、処分に関する事項
(5)本人の居住用不動産に関する事項
(6)相続関連の法律行為に関わる事項
(7)公法上の行為、各種手続きに関する事項
身上監護の事務として、次のようなものが挙げられる。
(1)介護契約に関わる事項
(2)介護契約以外の各種福祉サービスに関わる事項
(3)福祉施設入所契約に関する事項
(4)医療契約に関する事項
(5)財産管理、身上監護の両事項に関して生じた紛争の処理に関する事項